【HSPさんのための認知バイアス入門】7 ウサギとアヒル図形

ウサギとアヒル図形のアイキャッチ画像です HSPさんのための認知バイアス入門
自分が気にしすぎではないかと落ち込んでいる女性

何かあって落ち込んでいる時、友達に相談したら
「気にしすぎだよ」
と言われてさらに落ち込んだ。

そんな経験、HSPさんなら1度はあるのではないでしょうか。

起こったできごとに対する気持ちだけでも、
心はいっぱいいっぱいなのに、
こんな小さいことを気にしてしまう自分はダメなんだ・・・
なんて自分を責めてしまうはめになっちゃったりして、
さらに落ち込んでしまいますよね。

でもその友達は、その言葉を、
あなたを落ち込ませようと思ったり、
投げやり(他人事)な気持ちの上で言ったりしたのでしょうか?

そんなことを、今回は1枚の図から考えてみたいと思います。

・そもそもHSPってなんだろう?と思った方
 →HSPのざっくりした説明です。チェック!

ウサギとアヒル図形とは

ウサギとアヒル図形の画像

ウサギとアヒル図形
:ジャストローという心理学者が1900年に描いた図。
 「錯視」のひとつ。右向きのウサギにも、左向きのアヒルにも見える図形。
 ただし、両方を一度に見ることはできない。

「錯視」とは、目で見た時に、実際とは違うように見えてしまう現象のこと。
矢印の向きの違いで棒の長さが異なって見える
「ミュラー・リヤー錯視」が有名ですね。

ミュラー・リヤー錯視の画像

その中でも、ウサギとアヒル図形のように、
2通り以上の見方ができる図形のことを「多義図形」といいます。

つまり、同じものを見ているはずなのに人によって見方が違う
という現象が起こる図形なんですね。

ウサギとアヒル図形から考えられる認知の歪み

さて、この錯視がHSPさんと何の関係があるのか、
というお話に移ります。

私は、ウサギとアヒル図形で起こったような
「同じものを見ているはずなのに人によって見方が違う」
という現象が普段の生活でも起こっていると思います。

そしてそれが、HSPさんが周りの人に
「気にしすぎだよ」と言われて落ち込む原因になっている気がするのです。

具体的な例を挙げてみましょう。

*友達にあいさつをしたけれど無視されてしまう*
それを受けて・・・

A:「あれ、私昨日あの子を怒らせるようなことしちゃったかな・・・?」
B:「いやいや、気づかなかっただけでしょ。気にしすぎ

といったように、
同じ状況に置かれていたはずなのに、それに対して抱いた感情は全く違う。
ということは少なくないはずです。

特に、他者の言動の意図を深く考える傾向にあるHSPさんは、
HSPではない人に比べて、ネガティブな見方をしてしまいがち
です。
それが、HSPではない人にとっては、
「気にしすぎ」だと映るのでしょう。

HSPさんがウサギとアヒル図形から考えられること

ちなみに私は、
HSPさんがその特性ゆえ、物事をネガティブな見方で捉えてしまうことは
必ずしも悪いことだとは思っていません。

なぜなら、悪いことは想像できないと防げないからです。
悪いことが予測できるからこそ、先手を打って、それが起こらないように動けるんですよね。

だから、ネガティブな考え方になりやすいこと、
「気にしすぎだよ」と言われることに、落ち込む必要は全くありません

あなたに「気にしすぎだよ」という人は、
あなたとは違うものの見方をしているだけです。
どちらが正解かは分かりませんが、あなたが間違っている、というわけでもないと思います。

そしてそもそも、「気にしすぎだよ」と、言ってくれる人は、
「心配いらないよ」「落ち込まないで!」
といった気持ちで言葉をかけてくれているはず
なので、
文字通りお気持ちだけ(笑)いただいておけばいいのではないでしょうか。


ただ、自分の考えたネガティブな考えに囚われて思うように物事を進められないときは、
「気にしすぎだよ」というような人の考えに乗ってみる、
みたいなタイミングはあってもいいかもしれませんね。

もしくは、そのネガティブな考えが、
「〇〇さんは〜思っているかもしれない」といった類のものなら、
直接本人に確かめるのもありでしょう。

物事の見方は1つじゃない

ということを心の片隅に置いておいて、自分の特徴と上手に向き合えるようになりたいですね。

【参考文献】
・情報文化研究所 情報を正しく選択するための認知バイアス辞典 フォレスト出版株式会社 (2021)
・Illusion Forum 錯視 だまし絵 ウサギとアヒル 

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