みなさん、昨日はよく眠れましたか?
いつまで経っても寝付けなかったり、
昼間なのに眠くなったりしていませんか?
HSPさんの中には、繊細な性質が原因となって、睡眠の悩みを抱えている人が多いそうです。
「眠れない」「眠い」だけならまだ良いかもしれませんが、
短すぎる睡眠(1日6時間以下)、質の悪い睡眠は、
生活習慣病、心筋梗塞などの体の病気、うつ病などの心の病気などの原因になってしまいます。
それにそもそも、「眠れない」「眠い」で思い悩むこと自体が、
日中の大きなストレスになりますよね?
それだけ私たちの生活の質に大きな影響を与える睡眠だからこそ、
適度な時間、質の良い睡眠で、日中の体と心が劇的に軽くなります。
穏やかな気持ちで過ごしたい。と思った時、
すぐに職場を変えたり引っ越したりはできませんが、睡眠の質は今日から変えられます。
ということで今回は、
についてご紹介します。
HSPさんが睡眠で悩む理由は「繊細さ」
冒頭にも書きましたが、
HSPさんが睡眠で悩むのはその気質である繊細さによるものです。
一方で、「寝たい時に寝られない」場合と、
「寝たくないのに寝てしまう」場合で、
その繊細さを発揮するタイミングが少し異なります。
HSPさんが「眠れない」のは寝る時の環境と「考え癖」があるから
HSPさんが「寝たくても寝られない」状況になるのは、
の2つの要因があります。
寝る時の環境が整っていない
音、温度、感触など、様々な刺激に敏感に反応してしまうHSPさん。
ご自身の寝る時の環境を思い出してみてください。
- 人の話し声や、車のサイレンなどがよく聞こえる
- 節約のために空調を控えている
- 外から漏れる光を防げない
- 枕やマットレスが体に合っていない
あなたが「眠れない」原因は、こういった環境にあるかもしれません。
私も実家にいる時は、隣で寝ている家族のスマホの光がすごくストレスでした。笑
改善しようにも、自分だけじゃどうにもならなかったり、
お金がかかってしまうものも多いですが、
良い睡眠には本当にたくさんのメリットがあります(後でご紹介します)。
なので、できるところから変えていく価値が十分にあると思います。
その日に起こったことをベッドで思い出して興奮する
1日でやるべきことを全て終え、布団にもぐり、さあ寝よう!という時になって
- その日に言われて嬉しかったこと
- 少し傷ついたできごと
- 気になるあの人に送ったLINEの内容
などなどぼんやりと考えてしまい、気がつけば
頭が冴えてきて眠れなくなってしまうことはありませんか?
私はめちゃめちゃあります。笑
これは、HSPさんの「物事を深く考える」くせが原因です。
あらゆる角度から物事を見ることができるがゆえ、1人になった時に、
「もっとああすれば良かった・・・」なんて反省会を開いちゃうんですよね。
だからといって、「寝る時は何も考えない」というのは難しい話でしょう(私も笑)。
なので、先に紹介したような寝やすい環境を整えたり、適度な運動習慣で体力を使ったりして、
眠りに落ちやすい状況を作るのが良いと思います。
HSPさんが「よく眠る」理由は日中に頑張っているから
「眠れない」HSPさんがいる一方で、夜よく寝たのに、日中も眠くなることに
悩まされるHSPさんも多いようです。
これには、HSPさんの共感力の高さや、気遣いを大切にする面が関係しています。
- 目の前の人が心地よく過ごすためにどんなことができるか無意識のうちに
考えてしまう - 友達の話を聞いて一緒に落ち込んだり悲しんだりする
- 何かあったときは人ではなく自分のせいにしてしまいがちになる
なんてことは日常茶飯事なHSPさん。
常にいろんなところにアンテナを張り、緊張感を持って生活している上、
ストレスを発散することもあまり得意ではありません。
なので、HSPの特性が薄い人に比べて、日中にたくさんの気力を使って疲れてしまいます。
その結果、日中にも関わらず眠くなってしまうのです。
⭐️こちらの記事もおすすめ⭐️
- HSPさんとエンパスの話
:HSPさんの「共感力の高さ」について深掘りしています。誰かの感情に振り回されて困っている方にはぜひ読んで欲しいです。
HSPさんの心を守る「良い睡眠」の定義とメリット
HSPさんが「眠れない」「よく眠る」場合のいずれも、
その原因の根本は繊細さにあるということがわかりますね。
しかし、良い睡眠で心の健康を保つことができれば、
日中感じる刺激によるストレスもいくらか和らげることができます。
「HSPだから」と諦めず、まずは「良い睡眠」について知り、
自分の睡眠を振り返ることから始めてみませんか?
「良い睡眠」とは
厚生労働省による睡眠の質の評価指標 によると、
睡眠の質は以下の指標で測ることができると考えられています。
皆さんもチェックしてみてくださいね!
いかがでしょうか?
自分では判断しにくい項目もあったと思いますが、まとめると、
良い睡眠とは、
・すぐ眠れる
・ぐっすり眠れる
・よく眠れる
の3つが揃った睡眠だと言えます。
では、良い睡眠を取ることには、どんなメリットがあるでしょうか?
良い睡眠が体と心にもたらす3つのメリット
良い睡眠は、以下の3つの点から、私たちの健やかな生活をサポートしてくれます。
- 心と体の疲れをとる
- 肥満を防止する
- 病気を予防する
心の疲れをとる
睡眠には、1日の活動でたまった疲労やストレスを回復させる重要な役割があります。
アメリカの研究では、「よく眠れた!」という感覚(睡眠休養感)が薄いと、
うつ病の発症率が高くなるという結果が出ています。
また、人の感情を左右する神経として、
緊張に関わる「交感神経」と、リラックスに関わる「副交感神経」があります。
この2つの神経がバランスよく働くことで、私たちは健康な心を保っています。
でも、心が疲れてしまうと緊張を呼ぶ交感神経が活発に働きやすくなります。
普段から様々な刺激に反応しやすい、つまり緊張した状態になりやすい特徴がある
HSPさんは、疲れることでさらに刺激に敏感になってしまうかもしれないということです。
だからこそ良い睡眠で心の疲れをとり、
リラックスした気持ちにつながる副交感神経の働きを高められることは、
HSPさんにとってとても大きなメリットだと言えますね。
肥満を防止する
日本人を対象に行われた追跡調査で、睡眠休養感の低下は、
肥満や糖尿病、脂質異常症を含めた代謝機能障害と関連することが示されています。
また、睡眠時間が1日当たり5時間未満の人は、5時間以上の人と比べて、
7年間の追跡期間中に肥満になるリスクが1.13倍、
メタボリックシンドロームの発症リスクが1.08倍と上昇することが報告されています。
つまり、肥満を防ぐためには、良い睡眠が必要不可欠だと言えるでしょう。
早く寝てしまえば余計な夜食も減らせますしね♪
病気を予防する
寝つきが悪かったり、浅かったりすると、体の疲れが取れないだけではなく、
心筋梗塞、狭心症、心不全などにかかる危険性も高くなります。
病気になってしまうと、どうしても気持ちが落ち込みやすくなってしまいます。
特に、「病気になった」ことから想像を膨らませ、マイナス思考になってしまったり、
病気であることからくる不快感に敏感に反応してしまったりする傾向のあるHSPさんは、
自分の体調を良い状態にしておくことが、心の健康を保つためにも重要になります。
良い睡眠のためにHSPさんができること
ここまで、良い睡眠の基準や、そのメリットなどについてご紹介してきました。
一方で、HSPさんは交感神経が優位になる
(=気持ちがたかぶりやすくなる)傾向があるため、寝つきが悪くなると言われます。
そのため、HSPではない人以上に、
良い睡眠を取るための環境・習慣づくりが大切になってきます。
では、良い睡眠を取るために普段から実践できることはなんでしょう?
厚生労働省が発表した健康づくりのための睡眠ガイド 2023
に基づき、良い睡眠につながる環境と生活習慣についてご紹介します。
良い睡眠のための環境づくり
良い睡眠を取るためには、光・温度・音の環境づくりが大切です。
良い睡眠のための「光」の環境づくり
・日中に光を多く浴びる
:特に朝、起床時に強い光を浴びることで、体内時計が調節されます。
体内時計が調節されることで、すっきりとした目覚めと、スムーズな入眠が期待されます。
・寝る前に照明の光を浴びすぎない
:就寝する2時間前以降に、照明やスマートフォンの光を浴びると、睡眠を誘うホルモンである
メラトニンの分泌が抑制され、眠りを妨げられることがわかっています。
夜は、スマートフォンやタブレットを寝室に持ち込まず、できるだけ暗めの照明などで過ごす
ようにすると良いでしょう。
間接照明なども心が落ち着いて良いかもしれませんね。
良い睡眠のための「温度」の環境づくり
・寝る1〜2時間前に入浴する
:人の体温は、昼に高く、夜に低くなるようになっています。
入浴をすることで体温が上がると、血管が広がり、体から熱を逃がそうとします。
これが、就寝前に向けて体温を下げる働きをスムーズにしてくれるのです。
・部屋の空調を整える
:部屋が暑すぎたり寒すぎたりすると寝つきが悪くなり、
眠りが浅くなる、睡眠時間自体が短くなるなどの原因になってしまいます。
できるだけ心地よい温度の部屋で眠るようにしましょう。
私も寝る時だけはエアコン代ケチりません!笑
良い睡眠のための「音」の環境づくり
・静かな環境で眠る
:車の音や人の話し声などの音は、寝つきが悪くなったり、
深い眠りが妨げられたりする原因です。もし寝る前に音が気になるようなら、
カーテンを防音や遮光の機能があるものに取り換えたり、
寝床の位置をできるだけ窓から遠くに移動させたりしてみましょう。
外部からの刺激に人一倍敏感なHSPさんは、
これらの環境を整えることで、劇的に睡眠の質が良くなる可能性があります。
良い睡眠のための生活習慣づくり
良い睡眠を取るためには、起きている時の行動も重要です。
適度な運動習慣を身につける
睡眠は、日中に消費した体力を回復する役割があります。
そのため、日中のどれだけ動いたかが、眠りの必要量や質に影響します。
・必要な運動量
:理想は1日60分程度。
息が弾み汗をかく程度の運動は、寝つきや眠りの深さに良い影響を与えます。
ただ、無理は禁物。
自分のライフスタイルや体調などに合わせて、軽い運動を短い時間から
習慣づけていきましょう。
・おすすめの運動
:良い睡眠には、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的です。
ヨガなどのストレッチ、ダンベルなどの筋力トレーニングなども推奨されています。
運動が苦手な人(私)も大丈夫。
通勤や家事といった生活活動も立派な運動ですよ🔆
⚠️運動は就寝2〜4時間前までには済ませましょう。
就寝直前の運度は体が興奮するため、寝つきが悪くなる原因になります。
しっかり朝食をとり、就寝前の夜食を控える
・しっかり朝食をとる
:朝食をとることは、起床時に朝日を浴びることと同様に
体内時計を調整してくれる役割があります。
朝食をとらず、体内時計が調整されないと、寝つきが悪くなったり、
睡眠の満足度が下がる原因になります。
・就寝前の夜食を控える
:就寝前の夜食や間食は、体内時計の調子をくるわせるだけではなく、
睡眠の満足度を低下させてしまいます。
また、習慣的な夜食は糖尿病や肥満の原因となったり、
閉塞性睡眠時無呼吸の発症リスクになったりもします。
⚠️コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは、良い睡眠を妨げる原因になります。
量は適度に、夕方以降は摂取するのを控えましょう。
就寝前にリラックスする
スムーズに眠りにつくためにはリラックスし、脳の興奮を鎮めることが大切です。
良い睡眠のためには、ベッドに入る少なくとも1時間前には、
家事や仕事、勉強に追われずリラックスする時間を確保することがいいとされています。
【リラックスするための方法】
・無理に寝ようとしない
:「どうしても眠れない!」という日もあると思います。
そんな時は無理に寝ようとせず、ベッド以外の静かで落ち着く場所で過ごし、
眠くなったらベッドに戻るようにしましょう。
といっても、私自身は寝られない時間が続くと、
- あと○時間しか寝られない・・・
- 明日も朝から予定あるから、起きている場合じゃない
なんて考えて、ベッドから出る余裕もない時もしばしばあります。
そんな時は、ベッドの中で目を閉じて、
「今は体を休める時間」と、思うようにしています。
そうすれば少し焦る気持ちは楽になるし、
何もしない時間が続くので、いつの間にか眠れていることが多いです。
お試しあれ。
まとめ
今回は、HSPさんと睡眠の関係についてご紹介しました。
今回の記事のポイントはこちら↓↓↓
どうしても眠れず体調を崩したり、「眠れない」ことに悩むこと自体が辛くなったりした時は、
病院を受診することも検討しましょう。
「たかが睡眠」とあなどらず、小さな部分からでも向き合って改善できれば、
日中の刺激に対しても、少ししなやかに対応できるメンタルが手に入るかもしれませんね🕊️
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- HSPってなんだろう
:HSPさんの特徴についてもっと知りたくなった方はこちら - HSPとうつ病の関係
:「眠れない」のはHSPの特性だけが原因でしょうか……?
【参考文献】
・長沼陸雄 敏感すぎて生きづらい人のこころがラクになる方法 株式会社永岡書店(2019)
・厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド 2023
・厚生労働省 厚生労働省による睡眠の質の評価指標
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