
皆さんは何かを選ぶとき、何を参考にしますか?
色々あると思いますが、
- 周りの人たちが何を選んだか
- ネットショッピングサイトの口コミ
- SNSの人気度
などを見る人も多いのではないでしょうか。
でも考えてみてください。
どうしてそんなことが必要なのでしょうか?
あなただけが使う商品、
あなた自身の進学・就職先。
なのにどうして自分ではなく周りの人の意見が、
その判断基準の大きな割合を占めてしまうのでしょうか。
答えは簡単。
周りの人と一緒だと安心するからです。
そしてこの気持ちを形作る要因になっている
認知バイアス(考えの偏り)が同調性バイアスです。
ということで今回は、
をご紹介します。
今まで1度でも「なんとなく周りに合わせたくて」とか、
「みんなが良いと言っているなら良いに違いない!」なんて
自分の本当の意思に反する判断をして後悔をしたことのある
HSPさんにはぜひ読んでほしい記事です。
⭐️おすすめの記事⭐️
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同調性バイアスとは

同調性バイアス
:他人がどう行動するかを参考にして自分の行動を変えること
例としては、
- みんながいいと言っている選択肢を選ぶ
- 大勢が破っているルールなら破ってもいいと考える
- 何かをするときに周りの様子をみてから動く
などが挙げられます。
原因ははっきりしていませんが、「誰かと一緒にいたい」という気持ちや、
心の安定を求めることで生まれるバイアスだと言われています。
同調性バイアスと似たバイアス①:バンドワゴン効果
バンドワゴン効果
:選択肢がいくつかある場合、多くの人が同じ選択肢を取ることでさらに多くの人がその選択肢を取るようになること。
「バンドワゴンに乗る」とは、「流行に乗る」「勝ち馬に乗る」
などの意味で使われる言葉です。
つまりこれは「長いものには巻かれろ」的認知バイアス。
具体的な例としては、
- 行列ができている店にさらに行列ができる
- 「◯万人が愛用中」「1番人気」などの言葉に惹かれる
- 選挙で当選確定した人にさらに票が集まる
などが挙げられます。
同調性バイアスと似たバイアス②:正常性バイアス
正常性バイアス
:予測していなかった事実に直面した時、過去の経験などからの先入観や偏見を働かせて「事態は正常な範囲だ」と認識してしまう認知バイアス
「周りの人が言うなら正しい」と考えるのが同調性バイアス。
対して「自分の予測が正しい」と考えるのが正常性バイアスです。
本来は日常のさまざまなことに驚き、怯えないようにする。
つまり、心の安定を保つための認知バイアスなのですが、非常事態においては
- 非常ベルがなっているがこれは避難訓練だろう
- 小さい地震が起きたが大きなものにつながる余震ではないだろう
- 感染症が流行っているが、自分はかからないだろう
などの誤った判断に繋がり、
重大な事態を引き起こしてしまう原因にもなるのです。
同調性バイアスと逆の効果を持つバイアス:スノッブ効果
スノッブ効果
:「周りと同じになりたくない」と言う価値観のもと、周りが注目していないものに惹かれる価値観のこと。
「みんなと同じでいたい」が原因で起こる同調性バイアスとは
真逆の認知バイアスです。
皆さんもありませんか?
- 誰も知らないバンド
- 少し奇抜なデザインの服
- ゲテモノとも言えなくもない食べもの
などが好きで、周りの人に変だと言われても、
「いや私はこれが好きだから」なんて
嫌どころか、まんざらでもない気持ちになってしまうこと。
私はあります。
特に服装は鮮やかな色や大きめの柄も抵抗なく選んでしまいますね。笑
純粋に好きだから、と思っていましたが、
スノッブ効果も関係あるのかもしれません。
同調性バイアスがHSPさんに与える影響3選

同調性バイアスは誰にでも起こりうるものです。
一方で、周りの人の意見を受け入れることが多い人や、
自分の意見を積極的に伝えることを控える傾向のある人は
特にその影響を受けやすいと言われています。
つまり、HSPさんは同調性バイアスの影響を受けやすいと
言えるでしょう。
では実際にHSPさんに限らず、人が同調性バイアスから
どんな影響を受けているのかを
- 周りの人と良い関係を築くことができる
- 何が正解かわからないまま判断をしてしまう
- 新しいことに挑戦する意欲を失ってしまう
の3つの視点から紹介します。
周りの人と良い関係を築くことができる
「認知バイアス」と言われると、
悪い影響ばかりを思い浮かべてしまうかもしれませんが、
そうではありません。
冒頭の定義でお伝えした通り、
心の安定を保ったり、周りの人と良好な関係を保つために
多いに役立つことがあります。
例えば、
- 「楽しい」「これがいい」などの気持ちを共有できる
- 会議などを経て一致団結することができる
- とりあえず合わせておけば大きな揉め事にならない
などです。
必ずしもこれが正しいのか?
と言われると、この後紹介するデメリットもあるので
全肯定はできないですが、
誰かと一緒に生きていく(働く)以上、なくてはならない
認知バイアスだとは言えるでしょう。
何が正解かわからないまま判断をしてしまう
同調性バイアスが裏目に出る例で1番有名なのは
災害時の避難です。
地震による家屋崩壊のリスクや、
津波の危険性が目の前に迫っていたとしても、
「みんなが避難していないから大丈夫だろう」
と、逃げる判断を遅らせる原因となってしまいます。
日常生活においても、
- みんなが美味しいと言っているから美味しいんだろう
- 教科書に正解だと書いてあるから正解なんだろう
- みんなが「悪い」と批判しているからこの人は悪いんだろう
などのように、ある種思考停止したかのような
判断を下してしまう原因になるのです。
新しいことに挑戦する意欲を失ってしまう
「みんなと同じ」から抜け出して新しいことを始めるのは、
なかなか勇気がいるものです。
みんなと違う判断や行動をするということは、
- 今正解と思われているもの以外の判断をする責任
- 変わることによる周りからの非難
をも受け入れなくてはいけません。
そして、それを怖い、嫌だ。と感じるのは、
何を隠そうこの認知バイアスが原因の1つなのです。
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同調性バイアスとの上手な向き合い方

「周りと違う」ことに苦しみやすいHSPさんが
うまく世を渡っていくための助けになる同調性バイアス。
ですが、「周りと一緒ならいいや」と、
思考停止して判断を誤らないためにできることはなんでしょうか。
- 「自分がどうしたいか」を判断基準に入れる
- 客観的なデータを参考にする習慣を持つ
の2点からご紹介します。
「自分がどうしたいか」を判断基準に入れる
これ、当たり前のことなのですが
意外と抜け落ちてしまうんですよね。
- 自分だけ違うことをして目立ちたくない
- みんなと違うことをする責任を取りたくない
- 自分だけ失敗したくない
などの気持ちに邪魔をされて、
「とりあえずみんなと同じことをする」という
同調バイアスにおちいります。
そうならないために、何か判断する際は意識して
「自分はどうしたいのか」を考える必要があります。
例えば職場の飲み会。
興味がなかったけれど、みんな行くので行くと言ってしまった。
その結果、その飲み会の日はもちろん、それまでの日も
憂鬱な気持ちを抱えるはめになった。なんてことはありませんか?
周りと同じ判断をしたその瞬間は安心できても、
長期的にその判断が自分を苦しめることになったら悲しいですよね。
客観的なデータを参考にする習慣を持つ
これは特に就職や大きな買い物などの時に役立つ方法です。
何かを決める前に
- 公式サイトの情報(口コミではありません!)
- 信頼できる統計
- 身近な人ではない専門家や、その分野の最新情報
などの客観的な視点から検討することは、
同調バイアスから抜け出すためには効果的です。
多くの判断基準から考えを深めることで、
より効率的な判断・納得のいく判断がしやすくなります。
それができると、自然と周りの意見は
気にならなくなっていくものですよ。
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まとめ

今回は、
というお話をしました。
「周りと同じ判断をする」ということそのものが
悪いわけではありません。
ただ、本当に自分がしたいわけではないことを
「周りがそうしているから」というだけでしてしまったら。
うまくいかなかったら納得もできず、
かといって周りのせいにもできず、
辛い思いをしてしまうのではないでしょうか。
最悪うまくいっても自分は満足できない、
ということもあるかもしれません。
そうならないように、周りと同じでもそうでなくても
いいけれど、自分の「やりたい」「こうしたい」から
大きく離れない判断をしたいですね。
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:一歩踏み出す勇気を出すために必要な自信が持てないのはなぜ?に迫っています。
⚠️認知バイアスについては、本来の意味と異なるものを紹介しないよう細心の注意を払っておりますが、
HSPさんにどう影響するかについては個人の解釈が入っております。
こういう考え方もあるんだなあ〜という気持ちで見てくださると嬉しいです!
【参考文献】
・情報文化研究所 情報を正しく選択するための認知バイアス辞典 フォレスト出版株式会社 (2021)
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