【冬季うつ】寒くなるとなんだか気分が落ち込むHSPさんへ

はじめてのHSP

乾燥した空気

頬を突き刺す冷たい風

どんよりと重い空

そんな環境で毎日過ごしていると、
なんだか気分まで重くなってしまう。


なんて感覚を抱く人は多いと思いますが、

特にHSPさんは周りの環境に気持ちを影響されやすかったり、
音や温度などの刺激に反応しやすかったりするので、
それを強く感じるかもしれません。

そして、実はこの現象には名前があります。
それは「冬季うつ」。

毎日辛いのは気のせいでも甘えでもない。

でももしかしたら、自分の努力で少し楽になれるかもしれない。

そのきっかけになるよう願いを込めて、

今回は

  • 冬季うつの定義・原因
  • 冬季うつのセルフチェック方法
  • 冬季うつを防ぐためにできること

を紹介したいと思います。

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冬季うつとは

冬季うつとは、
秋から冬にかけて気分が落ち込んでしまったり、
物事への意欲が低くなってしまうものです。

「ウインター・ブルー」「季節性感情障害」
などと呼ばれることもあります。

原因はずばり日照時間の減少

  1. 陽の光を浴びる時間が減る
  2. 体内時計の調子が狂う
  3. 幸せを感じるホルモン(セロトニン)の分泌量が減る
  4. 気分が落ち込む・やる気がなくなる

というのがざっくりした流れです。

季節によって日照時間が極端に変わる北欧などでは
冬季うつの症状を訴える人が顕著に多いそう。

ただし、日本でも有病率が2%ほどはあるという報告もあるので、
私たちも油断はできません。

春になり、日照時間が長くなると症状は自然と回復します。

通常の「うつ」との違い

うつと冬季うつの違いを
図表にしています。
気分が落ち込んだり、物事のやる気が起こらないことは共通ですが、食欲や睡眠時間は、うつにおいては減退傾向、冬季うつにおいては増加傾向にあります。

通常の「うつ」と冬季うつには、共通点と異なる点があります。

気分が落ち込んだり心や体がだるくなってしまう点はどちらも同じです。

一方で、食欲・睡眠欲はうつは減少傾向冬季うつは増加傾向になります。

結果として、うつになると体重が減りやすくなりますが、
冬季うつでは増えやすくなるんですね。

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  • HSPとうつ病の関係
    :アンテナが敏感なHSPさんは、うつ病のリスクとも意識して向き合う必要があります。一体HSPの気質はどのように感情の起伏に影響するのでしょう。

冬季うつになりやすい人

  • すでにうつ病である人
  • 女性
  • 若年者

は冬季うつになりやすいと言われています。

特に、すでにうつ病である人の
10〜20%は冬季うつも経験するそうです。

また、HSPとの明確な関連はないですが、

  • 寒さなどの刺激に反応しやすい
  • 気持ちの素早い切り替えが苦手
  • 思い込みから抜け出しにくい

などの傾向があることを踏まえると、
調子が悪い時の原因の選択肢として、
冬季うつを知っておくのはいいかもしれません。

あなたは大丈夫?冬季うつセルフチェックシート

冬季うつをはじめとした
季節性感情障害を自己診断するためのツールが、
アメリカの精神科医によって開発されています。

今回はこれをもとに、
自分に冬季うつの傾向があるかチェックしてみましょう。

  1. 自分の状態が季節によって「どれくらい」変わるか
  2. 自分の状態が「どの季節に」変わるか
  3. 状態の具体的な変化量

の3点から確認します。

ここでの状態は睡眠時間・体重・気分などを指します。


自分の状態が季節によって「どれくらい」変わるか

実際の質問用紙です(画像クリックで該当サイトに飛びます)。
  • 睡眠時間
  • 人付き合い
  • 気分
  • 体重
  • 食欲
  • 活動性(やる気)

について、季節でどれくらい変わるかを

  • 変わらない(0点)
  • わずかに変わる(1点)
  • 変わる(2点)
  • かなり変わる(3点)
  • 極端に変わる(4点)

の5段階で評価してください。

合計点数が

  • 7点以下:正常範囲内
  • 8点〜11点:冬季うつ予備軍
  • 12点以上:冬季うつの可能性あり

と言われています。

自分の状態が「どの季節に」変わるか

実際の質問用紙です。

次に、自分の状態が具体的にどの季節に変化するかを確認します。

  • 気分が良い(悪い)月
  • 最も体重が重い(軽い)月
  • 社交性が高い(低い)月
  • 睡眠時間が長い(短い)月
  • よく食べる(食べない)月

の10点について、それぞれ当てはまる月、
もしくは「季節には関係ない」の選択肢を選んでいきます。

状態の具体的な変化量

最後に、睡眠時間、体重、食欲などの状態が
具体的にどれくらい変化するかを確認します。

この質問項目は冬季うつ診断というかは、
自分の状態を客観視するものだと思うのですが、
一応紹介させていただきます!

体重の変化量

1年で体重はどれくらい変化しましたか?

  • 0〜1.3kg
  • 〜3.2kg
  • 〜5kg
  • 〜6.8kg
  • 〜9kg
  • 9kg〜

で評価します。

数字が中途半端なのは、元の項目がkgではなくポンドだからです。笑

睡眠時間の変化
実際の質問用紙です。

1日の睡眠時間(昼寝含む)の合計時間を春夏秋冬に分けて記録します。

食事の好み

食事の好みは季節によって変わりますか?
もし変わるなら、特に何を好むようになりますか?

という質問項目です。

悩みの深さ

もしあなたが季節による状態の変化に悩んでいるとしたら、
それはあなたにとってどれくらいの問題ですか?

という質問です。

  • 比較的小さな問題
  • 適度な(控えめな)問題
  • 中程度の問題
  • 深刻な問題
  • 非常に重大な問題

の5段階から評価します。

冬季うつにならないために

冬季うつにならないようにするために
私たちにできることはなんでしょうか。

今回は、

  • 意識して陽の光を浴びる
  • 生活習慣を整える

の2点をご紹介します。

意識して陽の光を浴びる

まずは原因の根本を解決する方法。

意識して強い光を浴びることで、体内時計が狂うのを防ぎます。

部屋の蛍光灯などの明るさでは不十分

専門の機械を利用するか、実際に陽の光を浴びることが大切です
(曇り空でもいいそうです!)。

窓際で日向ぼっこもいいですが、おすすめは散歩。

効率よく陽の光を浴びられることはもちろんですが、
運動すること自体にもストレスを感じる原因になる
交感神経の働きを抑える効果があるからです。
体力もつくし、いいことづくめですね!

また他にも

  • 食事などは窓の方を向いてする・外で食べる
  • カーテンを少し開けて寝る
  • 少し上を向いて歩く

なども効果的です。

生活習慣を整える

基本的な生活習慣を整えることも大切です。

体内時計の乱れが原因で起こるものだからこそ、
決まった時間に寝て、起きるということは意識する必要があります。

また食事もできるだけ規則正しく、
いろんな種類のものを食べるといいです。

特に、セロトニンの材料になる

  • トリプトファン(たんぱく質の一種)
  • ビタミンD

は意識的にとってみましょう。

トリプトファンは肉・大豆・魚など、
ビタミンDはきのこ類に多く含まれています。

ちなみにビタミンDは日光を浴びることで体内でも合成できるので、
そういった意味でも、外に出て陽の光を浴びることは大事なのかもしれませんね。

まとめ

今回は、

  • 冬季うつとは、冬に日照時間が低下することで起こる気持ち・体調の変化
  • 通常の「うつ」とは、睡眠欲・食欲が増加する点で異なる
  • 意識して陽の光を浴びたり、生活習慣を整えたりすることで防げる

についてお話ししました。

基本的には、春になり日照時間が延びれば症状も和らぎます。

なので、あまり気に病みすぎず、
「自分はそういう気質なんだな」とのんびり構える気持ちがあると
冬季の辛さも軽くなるでしょう。

でも無理は禁物。

冬季うつが原因で、仕事を始めとした生活に支障が出るようなら、
受診を検討するのも大げさではありません。

冬は長いから。

体も心も大きく調子を崩さないように、
自分に合った過ごし方を探していきましょう〜🙌

【参考文献】

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